形態管理とは?
「形態管理」について説明します。
「形態管理」とは、JISQ9100:2004規格(「品質マネジメントシステム 航空宇宙要求事項」で用いられる用語です。
JISQ9100:2004規格は、IAQS (International Aerospace Quality Standard) 9100:2003を翻訳し,技術的内容を変更することなく作成された日本工業規格です。
JISQ9100:2004規格の航空宇宙関係でISO9001:2000に対する主要な追加要求事項としては 、以下の内容があります。
1. キー特性についての要求事項
2. 形態管理についての要求事項
3. 初回製品検査についての要求事項
4. 承認事項の変更の対する監督官庁への報告、連絡についての要求事項
5. 設計・開発の検証及び妥当性確認の文書化及び試験項目についての要求事項
6. 製造に関する文書化・変更管理・設備、工具及びNCプログラム管理についての要求事項
7. 製造に関する組織の施設外で一時的に行う作業の管理についての要求事項
8. 付帯サービスの管理についての要求事項
9. 検査文書についての要求事項
形態管理は、JISQ 9100:2004規格の4.2項の「文書化に関する要求事項」において以下のように規定されています。
4.3 形態管理
組織は,その製品に適した形態管理手順を確立し,文書に定め,維持すること。
参考 形態管理の指針は,ISO 10007 に示されている。
JISQ 9100:2004規格には、付属書(参考)参考文献として以下の内容が掲載されています。
SJAC 9102 航空宇宙 初回製品検査要求事項
JIS Q 9000 : 2000 品質マネジメントシステム-基本及び用語
JIS Q 9001 : 2000 品質マネジメントシステム-要求事項
JIS Q 9004 : 2000 品質マネジメントシステム-パフォーマンス改善の指針
JIS Q 19011 : 2003 品質及び/又は環境マネジメントシステム監査のための指針
ISO 10007 : 1995 Quality management-Guidelines for configuration management
ISO 10012 : 2003 Measurement management systems -Requirements for measurement processes andmeasuring equipment
ISO 10012-1 : 1992 Quality assurance requirements for measuring equipment - Part 1 : Metrologicconfirmation system for measuring equipment
ISO 10012-2 : 1997 Quality assurance for measuring equipment - Part 2 : Guidelines for control ofmeasurement processes
ISO10007 「品質マネジメントシステム-構成管理の指針」では、以下のように構成管理を定義しています。(ここで「構成管理」=「形態管理」です。)
「構成管理とは,製品の構成を文書化するものである。構成管理は,ライフサイクルの全段階で,識別及びトレーサビリティ,その物理的及び機能的要求事項の達成状況並びに正確な情報へのアクセスをもたらす。構成管理は,組織の規模並びに,製品の複雑さ及び性質に基いて実施できる。構成管理は,ISO9001 に規定されている製品識別及びトレーサビリティ要求事項を満たすために使用することができる。」
またISO9001:2000規格の7.5.3 識別及びトレーサビリティにおいて、
「必要な場合には、組織は、製品実現の全過程において適切な手段で製品を識別すること。
組織は、監視及び測定の要求事項に関連して、製品の状態を識別すること。
トレーサビリティが要求事項となっている場合には、組織は、製品について固有の識別を管理し、記録すること(4.2.4参照)。
参考 ある産業分野では、構成管理が識別及びトレーサビリティを維持する手段である。」
と規定されています。
航空機のように多数の複雑な構成部品要素からなる製品においては、製品やシステム・機器を設計開発し、生産に移行し、市場に提供する一連の過程の中で、各種性能試験、シミュレーション、風洞実験、各種耐久試験などの結果に対応してその仕様が変化する性質の製品、システム・機器の構成管理としては、基本的には、「要求仕様の設定からのライフサイクルの全段階で、システムレベルから、要素、部品レベルまでの各階層において、機能的、物理的特性を明確に把握し管理すること」が求められる。要するに以下の3つの機能を管理することがポイントとなる。
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構成管理品目の機能的、物理的な特性を仕様書、図面、管理台帳、部品表などに文書化し、識別番号を付与し、区別できるようにしておく(識別機能)
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上記特性の変更について管理すること(変更管理機能)
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変更の処理を含めての現時点における構成管理の記録を整理し、関係者に定期的に報告すること(記録報告機能)
また記録が正しく行われたかどうかチェックし、誤りを是正する構成監査を行うことも上記に含まれる。
以上のような構成管理に関する手順について、組織の「品質マニュアル」または、下位文書の規定類などに文書化することが要求されています。ただし、そのレベルは、組織の規模、製品の複雑さや性質に応じて対応すれば良いと思われます。